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包装リースだより

包装リースだより(2016年5月号)

2016年05月15日

リース取引の悪用例(空リース・多重リースの手法)

リース取引を悪用した、空リース、多重リースと呼ばれる違法な取引があります。

空リースは、リース物件が存在しないケースですが、多くはリース契約者とサプライヤー(殆どの場合、ディーラー経由の取引です)が結託し、あたかもリース物件が存在するかのように装います。契約者はリース会社の与信審査に必要な決算書類を時には偽造して提出、サプライヤーはリース契約に必要となる機械見積書、機械代金請求書等の書類をリース会社に発行し、リース契約と売買契約等の手続きを完了させてしまいます。リース会社は機械の検収が完了した段階で物件確認を行い契約者から検収書を受領して物件代金をサプライヤーに支払います。通常、物件確認時には機械番号、製造年月日等が記載されている銘板を確認し、リース物件であることを明示するためのステッカーを貼付、写真撮影をしますが、この場合は、リース物件ではない機械を見せたり、様々な理由を付けて物件確認をさせないようにして、空リース契約を完成させるのです。

多重リースも契約者とサプライヤーが結託する部分は同じですが、物件は存在します。ただ、一つの物件に対し複数のリース契約を締結するのが多重リースです。100万円の機械に対し、3社のリース会社とリース契約を締結すればサプライヤーには300万円が入金されますので、それを契約者と山分けし、契約者はリース3社にリース料を支払っていくことになるのです。リースステッカーはリース会社の物件確認の都度巧みに剥がしているようです。空リースも多重リースも、契約者は高利で資金を借入れたのと同じことで、いずれ資金繰りが破綻するケースが殆どです。リース会社は契約先の倒産が発覚し、リース物件の設置場所を訪問して初めてリース物件がどこにも存在しないとか他リース会社の物件であることに気付くのです。

リース会社は機械代金の支払先であるサプライヤーの与信状況にも注意を払っており、特にディーラー経由の取引に関し、ディーラーの与信状況によっては機械代金の支払方法を変更したりするケースもあります。詐欺事件が多発している現状、メーカー様の機械代金回収に問題が発生しないよう、弊社も慎重に見極めることが大事であると考えています。
(営業本部次長 藤井茂)

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